N-VAN e:を購入してから、半年以上ずっと自宅の100V充電だけで運用してきた。
アマゾンフレックスを連日稼働することもあったが、真冬でも毎日100%から40%まで減らして戻すくらいなので、特に不便だと感じたことはなかった。
外で充電する必要がなかったので、「まあ困ったらそのとき考えればいいか」と放置していた。
ただ、頭のどこかには、ずっと不安が残っていた。
遠出したら、どこでどうやって充電すればいいのか。
専用カードがないと使えないのか。
アプリは何を入れればいいのか。
コンビニ以外の急速充電は、営業時間内しか使えないのか。
「いつか調べよう」と思いながら、その「いつか」は来なかった。
ある日、突然その「いつか」がやってきた。
この記事で分かること
この記事は、
「自宅充電だけでEVを回しているN-VAN e:オーナーが、真冬の夜に初めて急速充電を使ったときのログ」
読んでもらえれば、だいたいこんなイメージがつかめると思う。
- 残量70%・片道50km・真冬の夜に呼び出されたとき、実際どうなったか
- セブンイレブンの90kW急速充電器を、E-mobility powerアプリ(ビジタープラン)で使ったときの流れ
- 実際に
- 何分充電して
- 何%まで回復して
- いくらかかったのか
- 「遠出ちょっと不安だな」と思っているEVオーナーが、事前に押さえておくと気がラクになるポイント
急速充電が気になっているけど、まだ一度も触ったことがない人の材料になればと思っている。
真冬の夜、50km先の病院から突然の電話
ある日の夜20時、病院から電話が鳴った。
家族が倒れ入院することになったようで、こう言われた。
「今から病院に来て、手続きをしてほしい」
動ける身内は自分だけ。迷っている余地はない。
状況を整理するとこうなる。
- 病院までの距離:片道約50km(往復100km)
- 外気温:氷点下近く
- N-VAN e:のバッテリー残量:70%
- 表示されている航続可能距離:およそ100km
この数字を見た瞬間に、すぐに理解した。
「このまま病院まで行ったら、家には帰れない。」
ここでようやく、「急速充電を本気で使わないとマズい」状況に追い込まれたことを実感した。
Googleマップで充電スポットを検索するが、条件が分からない
まずは落ち着いて、Googleマップで「充電スポット」で検索した。
地図上には、充電スポットのピンがたくさん表示された。
ただ、ここからが分からない。
- 実際にどこが「今すぐ使える場所」なのか
- 夜間でも24時間使えるのか、それとも営業時間のみなのか
- 支払いは専用カードのみなのか、アプリやクレジットカードでもいけるのか
マップ上の情報でも開いて詳細を見ても、どうしても確信が持てない。
その中に、セブンイレブンの急速充電器のアイコンも出ていた。
そこで店舗に電話してみると、対応してくれたのはアルバイトの人で、
- 「充電器が設置されているのは確か」
- 「ただ、使い方や料金などの細かいところはよく分からない」
という回答だった。
細かい条件をすべて確認している時間もない。
そこで一度、こう割り切った。
「とりあえず行くしかない。なんとかなるだろう。」
氷点下近いバイパスを走りながら、残量がみるみる減っていく
その日は、よりによって今年一番寒い日レベルの冷え込みだった。
前日は何十年ぶりかの雪が降っている。
ルートはバイパスを選び、できるだけ速度を上げないように気をつけながら走った。
EVはガソリン車と違い、速度が上がるほど電費が悪くなる。しかも寒さに弱い。
やはりメーターのバッテリー残量は、どんどん減っていく。
速度を抑えても減り方は速い。
しかも寒さが厳しすぎて、エアコンをつけないといられない。シートヒーターだけでは寒すぎる。
エアコンをオンにした瞬間、
航続可能距離の表示が一気に30kmくらい減るのを見て、正直ヒヤッとした。
セブンイレブンに着いた時点で、バッテリー残量は34%。
この数字を見ると、
「ここで充電できなかったら、かなりヤバい」
という感覚が、現実のものとして迫ってきた。
セブンイレブンの90kW急速充電器に賭ける
目的のセブンイレブンには、90kWの急速充電器が2基並んでいた。
最初に思ったのは、正直なところ、
「本当に今すぐ、使えるやつなのか?」
という半分疑いの気持ちだった。
画面にタッチすると、
「スマホで続ける場合はQRコードを読み込んでください」といった指示が出る。
充電器の画面の横には、そのQRコードが貼られていた。
iPhoneで読み込んでみると、使い方の説明ページと動画が表示された。
内容をざっくり整理すると、支払い方法はこういう仕組みになっていた。
- 「専用の物理カード」で支払う
- 対応アプリを使って支払う
いわゆる一般的なクレジットカードをそのまま差し込んで払うタイプではない。
対応アプリをインストールして、カード情報を登録し、そのアプリ経由で決済する流れになっていた。
この時点では、
「ここでカード登録して、本当にちゃんと動くのか?」
という不安はまだ残っていたが、引き返すという選択肢はなかった。
E-mobility power アプリのビジタープランで初充電
今回使ったのは、「E-mobility power」というアプリだ。
このアプリには、
- 毎月の基本料を払って使う会員プラン
→ 1分あたりの充電料金が安い - 月額なしで使えるビジタープラン
→ 1分あたりの料金は高め
という2種類の使い方がある。
自分は普段、自宅充電のみで暮らしているので、今回選んだのは月額なしのビジタープラン。
割高なのは分かっていたが、緊急時なのでそこは割り切った。
実際の流れはこうだ。
- App Storeから「E-mobility power」をインストール
- ビジタープランを選択
- アプリでクレジットカード情報を登録
- セブンイレブンの充電器に貼られているQRコードを読み込み
- アプリと充電器を紐づけ
- 充電ケーブルをN-VAN e:に接続
- アプリ上で「支払いスワイプ」を実行
ここまで終えると、ようやく充電がスタートした。
あの「スワイプして充電開始」の瞬間は、内心かなりホッとした。
ひとつ注意が必要だったのは、どのQRコードを読み込むかという点だ。
自分は最初、充電器の画面の横に貼られているQRコードしか目に入っていなかった。
何度もそれをアプリで読み込んだが、そこから先に進まず、残量も減っている状況だったのでかなり焦った。
「これは何かおかしい」と思ってよく見てみると、充電器の上部にも別のQRコードが貼ってあった。
夜間だったため暗くて全然気づかなかった。
そちらをE-mobility powerアプリで読み込むと、ようやく充電開始の画面に進み、無事にスタートできた。
見た目はどちらも「QRコード」なので、初めてだと間違えやすい。
・画面横のQRコード → 使い方説明ページ用
・本体上のQRコード → アプリから充電を開始するためのコード
こんな役割分担になっていたようだ。
初めてだと「QRコード」が複数あることに気づかない、ここは少し注意がいると感じた。
25分で80%超えまで回復。かかった時間と料金
90kWの急速充電だけあって、スピードはかなり速く感じた。
実際には、
- 5分でバッテリー残量が約8%増えるペース
- 結局、25分ほど充電して80%超えまで回復
という結果になった。
ビジタープランの料金は、1分あたり77円。
単純計算だと、
- 25分 × 77円 = 約1,925円
アプリの課金単位や前後の秒数も含めると、実際には2,000円ちょっとかかった。
この日は氷点下近くの極寒だったので、
- 電費も悪い
- バッテリーも冷え切っていて、充電効率も落ちている
と考えると、かなり不利な条件だったと思う。
ガソリン車とのざっくり比較
同じ100kmをガソリン車で走るケースをざっくり計算してみる。
- 燃費:15km/L
- 走行距離:100km → 約6.7L消費
- ガソリン代:170円/Lと仮定
- 6.7L × 170円 ≒ 1,139円前後
今回の真冬・ビジタープラン・急速充電では、
ガソリン車より2倍近く高い感覚だった。
「電気だから激安」という感じではないが、
**「真冬の緊急時に、2,000円強で安全に往復できた」**と考えれば、十分納得できる範囲だと感じた。
E-mobility power アプリについて(ざっくり整理)
本文中に何度か出てきたので、一度ここで軽く整理しておく。
E-mobility power アプリとは(ざっくり)
- 各社の充電スポットをまとめて検索・利用できるアプリ
- プランは大きく分けて2種類
- 会員プラン
- 月額料金がかかる
- その代わり1分あたりの充電料金が安い
- ビジタープラン
- 月額料金なし
- その代わり1分あたりの料金は高め
- アプリ上で
- 近くの充電器を地図で探す
- 条件で絞り込む
- そのまま決済まで完結する
イメージとしては、
- 年に数回しか急速充電を使わない人 → ビジタープラン
- 通勤や仕事で頻繁に充電する人 → 会員プラン
という棲み分けになる印象だ。
自分のように「半年以上、自宅だけで足りていた」タイプは、まずビジタープランで一度体験してみるのがちょうどいいと感じた。
充電スポットの選び方と、事前にやっておくと楽になる準備
今回の一件で、「急速充電まわり」についていくつか分かったことがある。
体験ベースで整理すると、こんな感じになる。
コンビニ(セブンイレブン)は心理的ハードルが低い
- 場所が分かりやすい
- 夜でも人の出入りがあるので、雰囲気的に安心感がある
- 充電中にホットコーヒーを買って、車内で暖まりながら待てる
一方で、
- そもそもコンビニに急速充電器がある場所は、まだ多くない
という現実もある。
日産ディーラーは台数が多いが、料金体系に注意
E-mobility powerのアプリで見ると、日産ディーラーの充電スポットはかなり多い。
ただし、
- 1分あたり◯円ではなく
- 「1回 2,970円」の定額制で表示されるところが目立つ
という特徴がある。
- 数分だけサッと使う場合
- 25〜30分きっちり充電する場合
どちらでも同じ料金なのか、そのあたりは今後、自分でも一度確認しておきたいポイントだ。
真冬・氷点下近くでは「ギリギリ運用」は避けたい
今回のように、
- 氷点下近い外気温
- エアコン必須
- 高速・バイパス中心の移動
という条件だと、電費が落ちるのは体感でよく分かった。
「残量ギリギリで計算する運用は、精神的にかなりきつい」
ということだけは、はっきり言える。
事前にやっておくと楽になる準備
今回の経験から、「これは前もって済ませておいた方がいい」と感じたことをまとめると、
- E-mobility powerアプリを、あらかじめインストールしておく
- ビジタープラン用のクレジットカード登録を、できるなら先に済ませておく
- 自宅〜よく行くエリアの間で
- コンビニ
- ディーラー
など、充電スポットをアプリ上で一度眺めておく
- よく使いそうなスポットは、「お気に入り」に入れておく
ここまでやっておけば、「真冬の夜に、残量ギリギリで初めてカード登録する」という、今回のようなハラハラ感はだいぶ減るはずだ。
この経験で、EVでの「遠出の不安」がひとつ減った
正直、病院からの電話を受けた瞬間は、
「EVで大丈夫か? ガソリン車のほうが良かったんじゃないか?」
と、一瞬だけ後悔しかけた。
ただ、実際に急速充電を一度経験してみると、見えてきたものもあった。
手順自体はかなりシンプルだ。
- アプリをインストールして
- カードを登録して
- QRコードを読み取って
- スワイプして開始
これだけでいい。
充電中は、コンビニでホットコーヒーを買って、車内で25分ゆっくり暖まりながら待てる。
この一連の流れを体験してみて、「これはこれでアリだな」と感じた。
今回の真冬の緊急呼び出しで、
「いざとなれば、アプリ経由でコンビニの急速充電を使えばなんとかなる」
という感覚が、自分の中にひとつ積み上がった。
普段は自宅充電オンリーで回しているけれど、どこかで「遠出や急な呼び出しが不安」という気持ちはずっとあった。
今回の体験は、その不安を少しだけ削ってくれた感じがある。
もうひとつ大きかったのは、「これならアマゾンフレックスにも応用できるな」と思えたことだ。
今は自宅充電だけなので、夕方の5時間オファーを受けるだけで精一杯になっている。
でも、午前のオファーをこなしたあとに急速充電を挟めば、1日に2ブロックのオファーを受けることも現実的になる。
体は当然きつくなるが、余力のある日だけそういう組み立てにすれば、かなり稼ぎ方の幅が広がる。
そうなってくると、
- いっそ会員登録して割安料金にしたほうがいいのか
- たまにしか使わない前提でビジタープランのままにするのか
という判断軸も出てくる。
今のところ、そこまでフルスロットルでやるつもりはない。
それでも、「やろうと思えばそこまで踏み込める」と分かったことで、働き方の自由度が一段増えたように感じている。
