中学の頃からつき合いがある親友がいた。
今は県外に住んでいて、年に数回連絡がきて
たまに遊びに来たり、遊びに行ったり。
気が許せる友達。
サラリーマンをしていると、仕事が忙しすぎて
自分の時間がほとんどなくなるときがある。
そのタイミングで連絡がきたとき、
俺はLINEを何日も返さなかった。
その前に遊んだときも、本当は一人でゆっくりしたかった。
話していても、意見の食い違いというか、すれ違いがあって
少し、そいつのことが面倒くさくなってた。
結構、自分の意見を押し付けてくるところがあって
俺はちょっと嫌になっていた。
久しぶりに会ったけど、なんか少し合わないなって感じていた。
今回もどうせまた、くだらないやりとりになるだろうと思って
返信する気になるまで、未読スルーすることにした。
もともとLINEが大嫌いなんだ。
LINEを返さずにいると、数日後にまたLINEが来ていた。
催促かな、面倒だな。
それも未読で放置した。
次の日、LINEを開いてみた。
「非通知にしてる? ブロックした? もういいわ。これまでだな」
と書いてあった。
その前のLINEも読んでみると
仮想通貨のエアドロをゲットしたとのことだった。
最後に会った日、確か一緒にCOCOSで食べながら
俺が仮想通貨の買い方とか、やり方を教えてあげたんだっけ。
これはすごいって、感動してたな。
えっ、普通にすごい。
自分で勉強したのかな!? と思って
「もういいわ」の件には触れずに
「えっ! すごいじゃん! 自分でやったの?」とだけ返した。
だけど、何日経っても返事は来なかった。
何度か送ってみたが、既読にならない。
ブロックされてしまったのかもしれない。
もういいや、とその時は思った。
少し合わないなと思っていたから。
だけど、それから何年か経つけど
定期的に、そいつのことを思い出す。
いつも俺の愚痴や不安を聞いてくれたり
サラリーマンを辞める時も「辞めるな」って俺を止めたけど
投資家になると言ったら、「それいいじゃん」って応援してくれた。
それがうれしかった。
そいつも、俺に似たところがあり
社会に馴染めないやつだった。
俺には、そいつくらいしか
自分をさらけ出せるやつがいなかったのに。
今は時間に余裕があるから
あいつと思いっきり遊ぶことができるんだけどな。
でも、あの時は合わないって思った。
別にいなくなってもいいやって。
お互い、そう思ったから離れることになったんだと思う。
だけど俺は、あいつともっと一緒にいたかった。
あいつとなら、じじいになっても仲良く遊んでいられたんだろうな。
あいつも同じこと、思っているのかな。