アストロの10.8VインパクトでN-VAN eのホイールナットは外せるのか。
結論から言うと、条件を揃えれば外せるが余裕はない。
今回使用した道具

・インパクトレンチ
時短の要。緩め・締めを一瞬で終わらせる。
・インパクト用ソケット(19mm)
通常ソケットではなくインパクト用を使う。短いソケットほどトルクのロスが少ない。
・トルクレンチ
最終精度を出すために必須。本締めは必ずこれで行う。
・フロアジャッキ
作業効率が大きく変わる。2t以上の余裕があるものを使いたい。
・ウマ(リジットラック)
これがないと危険。車体を支えるために必須。
・スピンナーハンドル
固着したナットの初動を確実に緩めるために使う。
なぜ自分でローテーションするのか

N-VAN e:でアマフレをしていると走行距離が伸びるのが早い。
現在の走行距離は6114kmになった。
フロントタイヤが目視で減っているのがわかるようになったのでローテーションをする。
ディーラーに出すと点検時でも別途3300円かかるので自分でやることにした。
となるとインパクトレンチが欲しい。
10.8Vインパクトを選んだ理由
充電式だと18Vあたりがトルクも強くていいのだが、本体やバッテリーを揃えると結構な金額になる。
自分はアストロプロダクツで買った10.8Vのバッテリーと充電器を持っていた。
バイクのボディやアルミ磨き用に買ったミニポリッシャー用のもので、滅多に使う機会がないためこれを活かしたいと考えていた。
調べてみるとアストロプロダクツから10.8V用のインパクトが出ている。
最大トルクは250N・mも出ると書いてある。
レビューを見てみると、SUVの140N・mで締めたナットもなんとか外せるという声と、軽自動車のタイヤも外れないという声の2極化している。
N-VAN e:の指定トルクは108N・mなので、いける可能性はあると判断して購入した。
実際に使ってみた
インパクトレンチが届いたので、さっそくN-VAN eのタイヤローテーションで使ってみた。
まず持った感じはバッテリーを付けてもコンパクトでとても軽い。これは使い勝手が良さそうだ。
空回ししてみると回転音も非常に静か。同時にLEDが前方を照らしてくれる。
締めるパワーは4段階あるが、緩めるパワーは調整できず最大のみのようだ。
バッテリー残量も本体横のLEDで三段階に表示してくれるのもありがたい。
これで1万円しないので、機能的に申し分ない。
早速試すと外れなかった

まずはホイールキャップを外すところから。樹脂の内張り剥がしを使えば簡単に外せる。
作業前にサイドブレーキをかけておく。
今回は試しに、車体をリフトアップせず地面に接地したままナットを緩めてみた。
充電は2/3ほどの状態。
手持ちの通常ソケットでインパクトを使ったが、数秒打撃したあと自動で止まり、ナットはびくともしなかった。
原因としては、ソケットによるトルク伝達ロスか、バッテリー残量の影響が考えられる。
ただ通常ソケットは割れの不安もあったため、コーケンのインパクト用ソケットを用意した。
条件を揃えると外れる

満充電の状態で再度試すと、今度は止まらず打撃が続き、5秒ほどでナットが緩んだ。
結果から見ると、バッテリー残量の影響は大きい。
パワーに余裕があるわけではないが、条件を揃えれば外せるレベル。
手緩めを併用するのが現実的

ただしインパクトだけに頼ると、音やバッテリー消費が気になる。
そこで作業手順を見直した。
ホイールキャップを外した段階で、長めのスピンナーハンドルを使い、4輪すべてのナットをあらかじめ緩めておく。
緩め方は、手で回る程度まで緩めてから一度ナットが当たるまで軽く締め込む。
そうすればホイールが外れることもないし、その後にインパクトを使えば負荷を抑えつつ時短できる。
リフトアップ後に手で緩めようとするとタイヤが回ってしまうため、この「接地状態で先に緩めておく」工程は重要。
結果として、効率と安全性のバランスが良い方法になった。
リフトアップと作業手順



フロントからジャッキアップすることにした。
車体中央の写真の位置にジャッキポイントがあるので、ここの溝にジャッキの切り欠きの溝を入れると安定する。
結構奥にジャッキポイントがあるせいでジャッキのレバーが長すぎて使えないため、少し上げるために10cm程度のエクステンションバーを使って、レバーが上下できるところまで上げた。
その後はレバーで上げていく。
2t用のジャッキなので無理なく上がっていった。
うまはアストロプロダクツの3t用のものを今回購入したのだが、結構上げないとうまが入らないので怖い。
もう少し低いものを使う方が安全に感じた。ローダウン用でちょうど良さそうだ。
今回は選択に失敗したが、ギリギリ使えるので良しとする。


続いてリアを上げる。
車両後方の左寄りにジャッキポイントがある。



本当はうまが4個あれば安全に作業できるだろうが、自分は車載のジャッキを代用した。
フロアジャッキをかけたまま右側のローテーションから始める。
その時、右後ろのジャッキポイントに車載ジャッキを軽く触れる程度の高さにしておくと安心して作業できる。
タイヤの取り外し

事前に手で緩めてあるので、あとはインパクトで一瞬で緩む。
短時間なので住宅街でも気になりにくい。
インパクトが軽いので作業は相当やりやすい。
あっという間に前後タイヤを外すことができた。
摩耗の確認

外したついでにフロントブレーキパッドの残量を見てみる。
ノギスで測るとちょうど8.0mmだった。
1.6mm以下で車検不合格なので、まだ余裕がある。



次に前後タイヤを比べてみた。
なんだかフロントについていたタイヤが小さく見える。
ノギスで中央を測定
フロント5.0mm
リア6.7mm
前輪駆動でEVはトルクも強いので結構減っていた。
5000km毎にはローテーションはしたほうが良さそうだ。
取り付けと締め付け
ホイールの裏側はブレーキダストで茶色くなっていたので、ついでに水洗いした。
前後入れ替えて取り付け。
ホイールの穴を車両のボルトに嵌め込む。
しゃがんだ状態で両膝でタイヤを固定すると安定する。

インパクトを最弱の1または2に設定して、ナットが窪みにしっかりハマるように、まずは一番下の一本を軽く当たるまで締める。
するとほぼ固定されるので、対角線状に一本ずつナットが軽く当たる程度まで締めていく。
心配なら最初の2本は手締めでもいい。
その後、インパクトの弱め設定で対角に均等に締め込む。
地面についてからトルクレンチで締めるので、この段階では本締めはしない。
ジャッキダウン時の注意
右が終わったら左に支え用の車載ジャッキを移動して同じように作業する。
終わったら車載ジャッキをどかし、フロアジャッキをゆっくり下げる。
下降のつまみを一気に緩めるとジャッキが外れ、車両が一気に落ちるので注意。
回すと固く、一気に緩んでしまうことがあるので、レバーの先端などで軽く叩いて少しずつ緩めると安全。
リアが降りたらフロントを上げてうまを外し、ゆっくりジャッキを下げる。
自分は手加減をミスって一気にジャッキが降りてしまい、途中でジャッキポイントから外れてジャッキと車両のフレームが少し削れてしまったのでシャーシブラックで錆止めをした。
ジャッキも削れてしまった。気をつけないと本当に危ない。
トルクレンチで本締め
車両が完全に地面に降りたら、トルクレンチで本締めを行う。
トルクレンチの目盛りをホンダの基準値である108N・mに合わせる。
ナットは対角線状に、カチッと音が鳴るまで締めていく。
4本締め終えたら、最初に締めたナットをもう一度確認し、締め込まずにカチッと鳴れば問題ない。
これをすべてのホイールで同様に行う。
最後にホイールキャップを取り付けて完成。
キャップの裏にはナットにハマる丸い部分が一箇所あるので、それをエアバルブに近いナット位置に合わせてはめる。
位置が決まったら手で叩くように押し込み、パチンと音がして固定されればOK。
最後に空気圧の調整をして終わり。
まとめ
今回買ったインパクトはナットは5秒程度で一本外れるが、余裕のあるパワーではない。
10.8Vなのでこんなものだろう。
使用中にバッテリーも弱くなりそうなので、バッテリーを2個用意して交互に使うのが良さそうだ。
自分は閑静な住宅街なので5秒の騒音も気になり、最初は手で緩める使い方にした。
結果として静かに素早くタイヤローテーションができた。
緩める・締めるが一瞬でできるのは非常に楽だった。
アストロにはAC100Vのハイパワーインパクトも同価格であるので、コードが気にならない人はそちらの方が余裕を持って作業できると思う。
18Vなら価格は上がるが、パワー面の不安はほぼ解消できる。
ただ自分は10.8Vでポリッシャーと電動ラチェットも使っているので、この規格を揃えたかった。
今回の選択は最初は失敗したかと思ったが、作動音の静かさと取り回しの軽さで結果的に満足している。
最初の手緩めは面倒に感じるかもしれないが、車両に優しいし頻繁にやる作業ではないため大きな負担にはならない。
コンパクトで軽いインパクトは、パワーが弱い分他の作業でも扱いやすく、おすすめできる。
